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★博士と責め子ちゃん

 ひやりとした空気を肌で感じて、新庄真紀は目を覚ました。
「うう……あれ?」
 自分の部屋ではない。机もベッドもなにもない。壁は灰色で圧迫感があり、天井も高くない。小さな電灯一つで照らしているだけの小部屋だった。出入り口と思われる扉はたった一つで窓すら存在しない。牢獄のようにも思えた。
「ど、どこよここ? ってコレなに? なんで?」
 体が言うことを聞かなかった。それもそのはず、彼女の体は縛り付けられていたからだ。壁ではなく、部屋の中央に備え付けられた十字架のようなオブジェに背中からぴったりと固定されている。両手も両足もほとんど動かない。
「ちょっと、嘘でしょ? マジで?」
 誘拐された、と真紀は直感した。部活が終わって家へ帰ろうとしているはずだったのに。
 こつこつ、と扉の向こうから足音が聞こえてきた。誰かが近づいてくる。足音は一人ではない。真紀は鼓動を早くさせながらそちらを見据えた。
 扉が勢いよく開かれると、背の高い男が姿を現した。端正な顔立ちから見てまだ若く、白衣をまとっている。真紀は医者をイメージした。
「おおっ、まだ傷一つ付いていないね。よくやった」
 何がそんなに嬉しいのか、男性はセーラー服を着た真紀を下から上へ眺め回した。
 彼の背後からさらにもう一人――メイドの姿をした女の子が入ってきた。中学生くらいに見えるが、顔立ちはやけに幼い。もしかしたら小学生かもしれなかった。
 医者にメイド。異様な組み合わせの二人である。
「ふむ。ところでどのようにして連れてきたんだい。素直に従ってくれたわけじゃないだろう」
「帰宅途中の彼女を背後からクロロホルムを嗅がせました。目撃者はいません」
 博士の問いにメイドはすらすらと返答。まるで台本を読んでいるかのようだった。声は幼いが、なんとなく感情というものに欠けている気がする。
 メイド少女の言葉に男は白衣を振り乱した。
「んなっ! なんともったいないことを! 人を拉致るなら当身でしょ当身! 腹に一発ドスンってやんなきゃ駄目じゃん!」
「方法は任せると言ったのは博士ですよ。文句言わないでください」
「むむ……つまり、キミのアイカメラには彼女が一撃で失神する姿が録画されていないわけだね? 非常に残念だ」
 心底落ち込んだように、博士と呼ばれた男は肩を落とした。
 真紀は突然繰り広げられた二人の会話に呆然としていた。状況が状況だけに、何ひとつ一切理解できない。
 そんな彼女に気づいたのか、男はこほんと咳払いをした。
「すまない。自己紹介が遅れたね。僕の名前は――おっといけないつい本名をバラしてしまうところだった。まぁ博士とでも呼んでくれたまえ」
 白衣の男――博士はにんまりと口元を歪めた。
「こっちは僕の助手だ。見てのとおりどこにでもいる一般的なメイドさんだが実はアンドロイドでね。僕が開発したんだよ。その名も責め子ちゃん!」
「相変わらずふざけたネーミングセンスですが博士ともどもよろしくお願いします」
 メイド姿が深くお辞儀をする。
「あ、あんどろいど……? せめこちゃん……?」
 それはつまりロボットということだろうか。真紀はますます信じがたい事実にため息さえ吐いた。
「信じてないね? 仕方ないか。責め子ちゃん、なか見せてあげなさい」
「分かりました」
 メイド少女こと責め子ちゃんはおもむろに自分の頭を両手で掴んだ。何度か左右へ傾けた後、さながらおもちゃのパーツのように頭を体から取り外した。
「ひぃ!」
 思わず真紀は小さく悲鳴をあげる。目の前にいる少女は今自分の生首を掴んでいる。首から出血などしていない。断面からコードや機械類が覗いている。確かに人間ではありえなかった。
「よしいいだろう」
 責め子ちゃんはガチッと首を元に戻した。
 一連の流れによって言葉を失いかけている真紀は、なんとか声を搾り出す。
「あ、あの。どうしてこんな……」
「ああ、うん。僕は今様々な実験を行っていてね。キミに協力して欲しいんだ」
「じっけん……?」
 その単語には心臓が縮む気がした。狭い部屋で囚われの身となっている状況で、『実験』などという言葉には良い響きがあるとは思えない。
「そんなの、意味わかんない。なんであたしが」
「キミは選ばれたんだよ。いやいや礼なんかいらないさ。協力してくれるんだからむしろこっちが感謝したいくらいだ」
「い、いや、協力するなんて言ってないし!」
 飄々としている博士に真紀は声を荒げた。ようやく本来の精神状態に近づきつつあった。
「帰してよ! こんなことしていいと思ってんの?」
「実験が終わったら帰してあげるよ。なに、すぐ終わるから」
 にこにこと笑っている博士は隣に無表情で立っている責め子ちゃんに頷きかけた。すると少女は磔にされている真紀の目の前へと歩み寄っていく。
 ごくり、と真紀は喉を鳴らした。
「な、なにするのよ……」
「私の攻撃力調整です。博士、最初の設定はどうしますか?」
「そうだなぁ。一発目は軽くでいいよ」
 了解、と責め子ちゃんが頷くと、右腕を引き絞った。真紀は持ち前の反射神経で危険を察知し、腹筋に力を入れる。
「ぅくっ」
 軽く弾いたような乾いた音。
 腹を殴られた。たいした痛みはない。真紀は自分の肉体に自信を持っているほどだ。これくらいのパンチで根をあげるほど柔ではない。
 ただ、突然殴られた事実に対して衝撃を受けていた。
「いきなり、なにすんの――」
「なるほど。さすがボクシング部です」
 真紀は女子ボクシング部の主将だ。部員全員が認めるほどの実力者である。顧問も太鼓判を押してくれていた。
 当然、彼女の肉体はボクサーとしてのそれだった。並の男が本気で殴っても、おそらくぴくりとも眉を動かなさいだろう。
「見事な腹筋ですね。まるで板を殴ったような感覚です」
 褒めているらしいが、感情のない表情なので嬉しくはなかった。それ以前に理由もなく殴られたことの方が頭にくる。
「ちょっと、人を殴っておいて――」
「責め子ちゃん、次は強めに」
 真紀の言葉などどこ吹く風で、博士はメイド少女に命令を下した。頭に血が上るが、攻撃の予備動作が再び腹筋を固める。
 二発目。先ほどのパンチは蚊に刺されたようなものだ。少し強めに殴られたところで、どうということはない。逆に拳を使えなくしてやる。そうほくそ笑みながら、真紀は腹筋を固めた。
 だが、相手はただの人間ではなかった。
「ぐっ――!?」
 出るはずのない呻き声が洩れた。思わず腹部を見下ろす。一回り小さいはずの少女が繰り出した拳が、半分ほど腹にねじ込まれていた。
「あ――けほっ」
 軽く咳き込む。痛い。今では当たり前に感じているはずの『痛み』が、彼女の自信を引き裂いていた。ありえない。こんなことはありえないはずなのに。
 腹の痛みを感じつつも、真紀は二人を睨み上げた。博士は何がそんなに楽しいのか満面の笑みを浮かべている。余計に苛々が募る。
「ふざけんな! くそ!」
 大声を張り上げるが、体は言うことを聞いてくれない。彼女の力を持ってしても拘束を解くことは簡単ではなかった。
「うーん、まだ元気だなぁ。責め子ちゃん、次はどれくらいの強さがいいんだろうか」
「私に聞くのですか? そうですね、妥当な順番としましては、胃液を吐く程度がよろしいかと」
「じゃそれで」
「了解」
 もはや当然の流れ。抗議を差し込む余地もない。
 真紀は怒りを身にたぎらせながら腹筋を固めることに全身系を集中した。負けない。こんな意味不明なやつらに負けてたまるか。
 そんな彼女の意志を、細い腕があっさりと打ち砕く。
「ぐぶっ!?」
 真紀の両目が見開かれ、酸素を吐き出した。
 セーラー服の中央に拳が深々と埋まっている。
 今まで感じたことのないほどの衝撃だった。十字架のオブジェに背中をぴたりと密着させられているためそのダメージはほとんど逃がされず、腹の中で渦巻いた。
「う、ぐ、うぇっ!」
 アンドロイドの無機質な拳は胃袋を押し潰していた。真紀は突然こみ上げてきた熱く酸味のあるモノを吐き出す。透明な胃液が床に飛んだ。
 拳はセーラー服に手首まで捻じ込まれている。酸素を求めるも、腹に埋まった拳のせいでうまくいかない。唇を震わせながら唾液を垂らし、呻く。
「あ――か――かはっ――」
 拳が引き抜かれると、腹の中から水っぽい音が聞こえた。鉛が埋め込まれたような鈍痛が響いている。
 信じられない。自慢の腹筋がこうも簡単に破られるなんて。こんなこと絶対にありえないのに……!
 真紀は激しく咳き込みながらも、弱音を吐こうとはしなかった。なによりも怒りが収まらない。
 だっておかしいじゃないか。突然誘拐されて理由もなく殴られている。理不尽にもほどがある。
「ふざ――げほっ――ふざけんなマジ!」
 唾液と胃液で汚れた口からなおも強気な言葉を発することができるのは、真紀の強靭な精神力ゆえだった。
「卑怯だこんなの! ちゃんと勝負しろ!」
 ボクサーとして真剣な勝負をしたいわけではない。が、無抵抗の相手を殴り続けるなんてどうかしている。
「ええ、卑怯ですね。あなたは既に知っているはずですよ」
 瞬きもしない小さな少女が呟くように言った。
「は? 意味わか――ぅぐ!?」
 途中で拳がめり込んでくる。さっきと全く同じ威力だった。胃が強制的に動かされる。気持ち悪い。
「次はアレいってみようアレ。うん」
 博士の言葉に頷いた責め子ちゃんは、めり込ませた拳をさらに奥深く沈み込ませた。柔らかいクッションのように真紀の鍛えられた腹部がヘコんでいく。潰れたような呻き声。
「回転」
 責め子ちゃんの無機質な声。同時に、手首まで埋没している拳が動き始めた。機械的な音が唸りを上げる。
「ひぐぅっ!? あがっ、あっがああああっ、あがががが!」
 ボクサー少女は両目を飛び出さんばかりに剥いて、苦痛の声で断続的に呻いた。
 真紀の腹の肉で隠れていて見えないが、メイド少女の右手は今ドリルのように回転していた。
 中がぐりぐりとかき回される。移動した胃がぐにゃぐにゃと変形する。こんなパンチは知らない。試合でも受けたことがない。そもそも人間技じゃない。
 責め子ちゃんが拳を抜くと、暴れていた胃が元の位置に戻った反動で腹の底から熱いものが駆け上がってくる。喉が水の音と共に脈動した。
「うぐええぇぇぇ! げっほ、げほ!」
 激しく咳き込みながら胃液をぶちまける。その無様な顔にボクサー部主将としての強さはもはやない。この痛みは試合で貰うような痛みとは違う。拘束されて抵抗できないまま受け続ける拳は屈辱的で、しかも鍛えた体がこうも簡単に悲鳴をあげている。精神的なダメージも大きかった。
「いいね。ちゃんとデータは取れたかい?」
「はい。腹筋の抵抗や内臓の感触は私の感圧アームによって滞りなくデータ収集できました。後で博士のパソコンに送っておきます」
 音を立てて回転していた拳が次第に速度を落とし、やがてぴたりと停止する。責め子ちゃんは小さな手を握ったり開いたりを繰り返し、ひとつ頷く。
「動作も良好です。私これ気に入りました」
「喜んでくれたようで嬉しいよ。次はどんな機能がいい?」
「ロケットパンチとか胸からミサイルとか目からビームとか飛行ブースターとか変形システムとか十秒間だけ高速移動できるモードとかが良いと思います」
「ごめん全部は無理」
「ちっ」
「舌打ちしたろ今! お行儀悪いからやめなさい!」
 二人の会話も真紀の耳には入っていない。痛みでそれどころではなかった。嘔吐感が収まる気配はなく、腹部の鈍痛にただ呻いていることしかできない。
「かはっ――な、なんで――」
 どうしてこんな目にあうのか? 彼女の疑問はその一つだった。
「あたしが、なにしたっての――」
 うな垂れながら透明な液体を垂らし続ける真紀を、責め子ちゃんはまばたきすらしない目で見つめている。そこには何の感情もない。その辺りに転がっている石ころを見下ろしているような視線。
 その小さな口が開かれる。
「まだ分かりませんか、先輩」
 いつものメイド少女とは別の声だった。幼い声だったはずの責め子ちゃんは、ボイスを変えることも可能であるらしい。
 真紀は息を呑んだ。聞き覚えのある声。これは幻聴などではない。心臓が凍りつくかと思うほど、今の声には動揺を隠せなかった。
「り、凛……? うそ……」
 凛は新入部員だ。体は細くて小柄、おとなしい雰囲気でおよそボクシング部に入るような少女ではない。ただ、両親が有名人らしかった。その関係もあってか、彼女の高校進学と共にボクシング部に入部した出来事は、メディアにも取り上げられるほど話題になった。
 そんな彼女が真紀は気に入らなかった。
「先輩は嘘をつきましたね。新入部員は必ず一度サンドバッグを経験するっていうあれですよ」
 ずい、と責め子ちゃんが鼻先がくっつくほど間近まで顔を寄せる。痛みなどで気が動転している真紀には、目の前にいる少女が凛本人であるように錯覚していた。
「卑怯じゃないですか。無抵抗の相手を殴るなんて。痛かったんですよ。まだトレーニングなんてほとんどしてなかったのに、あんな滅茶苦茶に殴ったら、そりゃあ血も吐いちゃいますよ」
「ああ、ち、ちが――ちがう――」
「何が違うんです? あ、先輩はまだ血を吐いてないですね。その時の痛みを味わってください」
「や、やめっ」
 責め子ちゃんのボディアッパーが音をたてて抉りこまれる。セーラー服が渦を巻きながらインパクト部分に吸い込まれた。
「ご、ふっ――! がはっ――げえっ!」
 内臓を突き上げられ、真紀はビクビクと少し痙攣したあと口から血の糸を引いた。粘り気のある血液が顎を伝い、めり込んだ責め子ちゃんの腕に滴り落ちる。
 もう嫌だ。こんなに痛いのはもう嫌だ。ついに真紀は涙を溢れさせる。
「痛いですか? 痛いですよね? 私はもっと痛かったですよ?」
「かはっ――ぁ、けほっ――!」
 咳き込むたびに血の破片が飛び出している。体は電流が走っているかのようにビクビクと痙攣していた。
 拳が抜かれてようやくなんとか呼吸ができるようになると、ボクサー少女は言葉を搾り出した。
「――なさぃ――」
「なんですか? よく聞こえません」
「ごめんなさい――ごめんなさいごめんなさいごめんなさい――」
 涙をぼろぼろと流しながら、真紀は独り言のように繰り返した。凛々しい顔は歪み、足元には血や胃液が混ざった液体がこぼれている。
「その言葉は、本人に言ってあげてくださいね」
 感情のない声に戻った責め子ちゃんが、メイド服のスカートをぽんぽんと手で払う。次の指示を仰ごうと博士に振り返った。
「ん。実験終了だ。意外と早かったかな」
「そうですね。彼女自身もどこかで罪の意識を感じていたと思われます」
「いいだろう。それじゃ僕は部屋に戻ってるから、先にデータを送っておいてね。あとはよろしく」
「また私に丸投げですか。たまには事後処理に協力していただきたいものです。自録画した映像を自室で見ながらアレしたいのは分かりますが」
「あ、アレとはなんのことかな一体。指示語で会話するのはいかんよ、言語機能の発達が――おおっといかん! もうこんな時間じゃないか! アレが始まってしまう! さらば!」
 腕時計を見た博士は血相を変えて部屋から飛び出していった。長い白衣が扉の外へ消えたのを確認すると、責め子ちゃんは真紀に向き直る。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい――」
 うつむきながら、とり憑かれたように謝り続けている真紀。彼女の髪を掴んで目線を合わせる。ひぃ、と小さな悲鳴が漏れた。
「クロロホルムは残念な方法らしいので、不本意ですが博士の希望通り一撃失神を行います。……そんなに嫌な顔をしないでください。これが最後です」
「やぁ、やだ――もうやだ――!」
 もはや反抗する気力もない。力なく首を振るが、責め子ちゃんは聞く耳を持たなかった。
「念を押します。謝罪の言葉は私ではなく、凛さん本人へあなた自身の口から真剣に伝えてください。彼女はおそらく許してくれます。たぶん。きっと。メイビー」
「謝るから! 謝るからもう殴らないで――おねがい――」
「眠っていただかないと記憶処理が面倒ですから。失礼します」
 予備動作がなかった右腕を、満身創痍の真紀が防ぐ術もない。度重なる打撃によって柔らかく崩れてしまった彼女の腹筋に、機械の拳が沈み込む。
「げうっ――! あ、か――ぁ――」
 激痛は一瞬だった。突き刺さった小さく硬い拳は横隔膜を刺激し、呼吸困難を引き起こす。涙で滲んでいた視界は、幕が閉じたように黒へと染まっていく。
 同時に、真紀の意識も闇の底へと落ちていった。

「うぅん……」
 瞼の向こうに光を感じて、真紀は目を覚ました。
 朝だ。カーテンの隙間から光が射し込んでいる。
「……あれ?」
 体を起こしながら、真紀は周りを見渡した。
 自分の部屋だ。間違いない。ベッドに机、椅子、本棚、クッション、グローブ、枕元に置いてある犬のぬいぐるみ……全て自分のものだ。
 なにか夢を見ていた気がするが、まったく思い出せない。酷い目にあったような、そんなことなかったような。昨日は部活が終わってから、何してたんだっけ。
「真紀ー、ご飯できてるわよー」
 一階から母の声が飛んできた。寝ぼけ眼で時計を見ると、もう起きているはずの時間になっていた。アラームの設定を忘れていたらしい。早く着替えなくては。
 慌ててベッドから飛び起き、パジャマを脱ぐ。寝癖は酷くないだろうか。部屋の隅にあるスタンドミラーで確認する。
 鏡には上半身裸の自分が映っていた。寝癖はひどくない。顔はちょっとだけ眠そう。だけどいつもとは決定的に違うものを見つけた。
 ――腹部に痣ができている。
 ボクサーなら殴られた箇所が痣になって残ることもよくある。試合をよく行う真紀にとっては当たり前のことだ。不自然なことではない。
 腹部がうずきだす。夢だと思い込んでいたあの出来事が脳裏をよぎる。
「あ――ひぃ――」
 ただ、その記憶は曖昧だった。鮮明に思い出せない。誰かいたはずだ。まるで顔だけピントがずれているみたいにぼやけていている。パズルのピースが当てはまらない。
 誰かが、私に、なにかしたはずなのに。だけど一つだけはっきり分かっていることがある。
 真紀はセーラー服を着込むと、朝食も食べずに家を飛び出した。母親の制止も聞かず、学校へと逃げるようにして走る。早く言わないと。あの子に会わないと。
 早く、凛に謝らないと。

Comment

No:15|NoTitle
ウオオオ! 確実にいい話でございます! せめて、 これはただ可愛くて 体が華奢少女の腹を潰すのため以外の無いストーリではないらしい...
No:16|
本化になれば是非購入したい小説でした。検討してみてほしいです。
No:17|Re:
ですよね...
No:18|NoTitle
>>Harrisさん
ありがとうございます。後半の文章がちょっと意味分かりませんが感謝です。

>>tentsuさん
本とかにはしません。なぜならお金がかかるからです。
No:19|NoTitle
博士と責め子ちゃんのキャラが立っていて、
二人の掛け合いが面白かったです!
特に、責め子ちゃんの「たぶん。きっと。メイビー」という台詞が、テンポがよくてすごく気に入りました。
短編ものなので、読みやすかったです。
本編があるので大変でしょうけど、また短編もの読みたいですね〜^^
No:21|NoTitle
>>一撃さん
なんというか、漫才みたいなキャラをつくると性格がはっきり分かれるのでよくこの手を使います。私自身お笑い好きなので。
責め子ちゃんのそのセリフは学生時代の講師がよく使っていた言葉です。
もしかしたら、この二人がまた実験をするかもしれません。たぶんきっとめいびー。
No:22|NoTitle
テンポが素晴らしく良くて本当に感心します。
自分のべたーっとした文章とは大違い。。。
キャラも立っているので、自然とセリフが脳内再生されました。
No:23|NoTitle
>>number_55さん
恐縮です。number_55さんが書く責め方を参考にしたりしてますのよ。オホホ。
この二キャラ、結構ウケがいいですね。
No:24|NoTitle
>> 黒葉さん、

いいえ、いいえ。 申し訳ありませんでした。 どうやらまだ日本人のようにあまり上手く言えない。 (T_T)

伝えたいのはこの文書が 腹パンチだけではなく、ストーリも中々良いものでした。
No:25|NoTitle
>>Harrisさん
外国の方でしたか、失礼しました。
日本人の私でさえ日本語は難しいと感じるのに、噛み砕いて読んでくださってありがとうございます。
No:57|
読ませて頂きました!
最初の方では無慈悲な拷問系と思ってしまいましたが中盤~後半に渡って、お腹を殴られる因果関係が説明されていて奥深い作品だと思いました。
私もこういう、読者の方を良い意味で裏切れる作品を書いてみたいです(・_・;ゞ)
真紀が許しを求めて懇願する姿と、それでもお腹を殴られる展開が最高に盛り上がりました♪  ありがとうございました!
No:58|Re: タイトルなし
Twitterの方でお返事しました。

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